活動の報告

被爆・戦後80年記念講演会「核兵器のない世界を目指して ~「核抑止」では平和は守れない~」が開催されました。

2025年10月11日(土)、岐阜市の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」にて、核兵器廃絶をテーマとした講演会「核兵器のない世界を築くために ~『核抑止』では平和は守れない~」が開催されました。この講演会は、核兵器廃絶を目指し活動する「被爆者の願いを継承する岐阜県民の会」が主催し、講師には、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」の国際運営委員であり、国際交流NGOピースボートの共同代表でもある川崎哲さんを迎え、約150名が参加しました。

(左)司会の堀美奈子さん             (右)安藤征治さんの開会挨拶
講師:川崎 哲 氏

コープぎふの堀美奈子さんの司会で始まり、代表世話人の安藤征治さんの開会挨拶に続き講演が始まりました。川崎氏からは、まず核兵器を巡る枠組みとして、核不拡散条約(NPT)の検討から2017年の採択に至る経過の説明に始まり、核兵器の非人道性に関するウィーン会議2022議長総括や東アジアにおいて戦争回避から平和外交に転じていくための課題等を解説していただきました。そして、核保有国(過去も含め)が核を廃棄していく道筋、さらには私たちの日本が核兵器禁止条約に参加していくための「5つのステップ」についてわかりやすく解説していただきました。

核兵器が戦争を防ぐどころか、むしろ核武装国による戦争の引き金となる危険性を強調されており、「軍事力に対抗する準備ではなく、軍事力を使わない平和の準備こそが必要」と語られ、核兵器の非人道性と廃絶の必要性を訴えられたのが印象的でした。



また、被爆者の証言を世界に届ける活動や、核兵器禁止条約の普及に向けた取り組みについても紹介され、私たち「被爆者の願いを継承する岐阜県民の会」の活動の背中を押していただけたような気がしました。

講演後は、短い時間でしたが、直近の世相を懸念する参加者からの質問に対しての助言等もしていただき、講演内容を深めました。

加田弘子さんから閉会挨拶

最後に、代表世話人の加田弘子さんから本日参加へのお礼の挨拶があり、この日の講演会を終了しました。

参加者のアンケートでは、
「核抑止では平和は守れないという主張に深く納得した」「核兵器の恐ろしさを改めて実感し、震えるような思いをした」「非核兵器地帯が世界の多数を占めている事実に驚いた」「若者や次世代に核の実態を伝えることの重要性を感じた」「自分にできることを考え、行動したいと思った」「ピースボートやICANの活動に感銘を受けた」という感想や意見が寄せられました。

また今後に向けては、「もっと被爆の実相を広く知らせる活動をしてほしい」「学校教育で核問題を深く扱ってほしい」「政治家にもこの講演を聞いてもらいたい」「日本政府は核兵器不使用の宣言をすべき」「国民一人ひとりへの啓発活動を強化してほしい」との意見も出され、参加者の多くが、講演を通じて核兵器の問題を「自分ごと」として捉え直し、今後の行動への意欲を高めている様子がうかがえました。

この講演会では、被爆・戦後80年の節目の年に、平和への願いを共有する場として貴重な機会となったと思います。今後も、核兵器の非人道性を伝える活動や、若い世代に伝え、考える場づくりを通じて、「核兵器のない世界」の実現に向けた活動を続けていきます。

講師の川崎さんを囲んで(岐朋会の皆さん、スタッフの皆さん) おつかれさまでした。