活動の報告

「岐阜県災害ボランティア支援職員スキルアップ研修」に参加しました【20.10.15】

会場内の3密防止、消毒、換気、岐阜県感染警戒QRシステムの登録などのコロナ対策をとって開催されました。

2020年10月12日(月)、岐阜県社会福祉協議会主催の「岐阜県災害ボランティア支援職員スキルアップ研修」が岐阜市の岐阜県水産会館で開催されました。

この研修会は、近年多発する大規模自然災害に備え、災害発生時に災害ボランティア支援活動を行う職員の育成を目的に昨年度から始まったものです。今年度2回目のこの日はオンラインも含め130名を超える参加がありました。
岐阜県生協連は岐阜県の「災害ボランティア連絡調整会議」の構成員として参加しており、今回はコープぎふから3名、県連から2名が参加しました。

この日は、主催者である岐阜県社会福祉協議会の斉藤次長と、岐阜県健康福祉部の長沼次長の挨拶で始まり、続いて地域福祉課の鷲見係長から「新型コロナウイルス禍における災害ボランティア受入方針」の説明と感染症対策の徹底の依頼がありました。

感染対策で最も重要なことは「標準予防策」を遵守・徹底すること

続く講義では「災害ボランティア受入のための感染症について」のテーマで、ぎふ綜合健診センターの村上啓雄所長(岐阜大学名誉教授)から、新型コロナウイルスの概要や必要とされる感染症対策など理解しておくべき情報についてお話を聴きました。

  • 新型コロナによる死亡率はおよそ2%。PCR検査数の増加の中で死亡率は低下傾向だがインフルエンザ(0.1%)と比べると高い。
  • 他の感染症との比較では基本再生産数(1.4-2.5)はかなり低い。感染力は強くない。
  • 日本では当初の武漢型や欧米型のウイルスは一旦消滅したが夏からは変異したウイルス感染が発生した。岐阜県でもまだくすぶっている状態である。
  • 潜伏期間はおよそ5日。約80%は軽症・無症状であるが、新型コロナは全身で増殖できること、発症から5~7日で急激(2~3時間以内)に呼吸苦になることが臨床的特徴の一つにある。
  • PCR検査で陽性反応が出るのは7割。3割は陽性であっても陰性と出る。したがって、陽性は特定できるが陰性であることの証明にはならない。
  • 岐阜県のクラスター事例では、そこに集まった人や従業員の飲食やおしゃべりが感染経路だった。
  • ➀空気感染 ②飛沫感染 ③接触感染のうち、新型コロナは➁と➂で感染する。特に➁飛沫感染の予防が重要であること。
  • 新型コロナウイルスは水分を伴い飛沫となって飛び散る。飛沫はマスクをしていれば防げる。誰もが感染している可能性があると考え全員がマスクをすることが一番の感染予防対策である。
  • 感染したことが悪いわけではないので、感染した人に思いやりを持ってほしい。そして、正しい知識を持ってボランティア活動の質を高めてほしい。
  • 東京にいるからとか東京から来たから危ないのではなく、その人がどのように感染予防をしているかが重要である。
  • マスクは自分の予防のためではなく他人への感染を防ぐもの。全員がマスクをしていれば、もし多少密になったとしてもうつらない。
  • 感染対策で最も重要なことは、標準予防策を現場で遵守・徹底することに尽きる。

など、専門分野からの見解や医療現場での実践を通して、コロナ禍における災害ボランティア活動への示唆をいただきました。

「令和2年7月豪雨」の対応事例から、これからのコロナ禍の災害ボランティア活動について考えるヒントをいただきました。

続いて、「令和2年7月豪雨における県内のボランティアについて」として、高山市社会福祉協議会の小峠常務理事、下呂市社会福祉協議会の中野係長から、両社協の取組みが紹介されました。コロナ対策として地元中心に活動された中での状況や課題がわかりました。

最後に、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)代表理事の栗田暢之さんから、熊本県などの事例や今後の対応などの情報が提供されました。今回の豪雨災害時はその時点でのコロナ情報のもとで被災者や住民の気持ちに寄り添うことを優先しての対応でした。コロナ社会においては感染防止対策を徹底しながらの被災者支援活動のあり方を組み立てていくこと、そして地元(市町村域・圏域・県域)での対応力の向上を平常時から図っておくことが大事であることを確認してこの日の研修を終了しました。