活動の報告

「第9回ぎふグリーンツーリズムネットワーク大会 in 白川郷」に参加しました。【19.11.7】

会場の「トヨタ白川郷自然学校」には、地元白川村をはじめとして、県内各地域からグリーンツーリズムの実践者、行政(岐阜県・市町村)、観光協会関係者など137人が集まりました。

2019年11月5日(水)~6日(木)、「第9回ぎふグリーンツーリズムネットワーク大会 in 白川郷」が開催されました。

主催の「ぎふの田舎へいこう!」推進協議会は、岐阜県内のグリーン・ツーリズムの実践者が中心となって、近年のグリーン・ツーリズムに対する多様なニーズに対応した「ぎふらしい」「ぎふならでは」のグリーン・ツーリズムを実現するため設立された協議会です。

岐阜県生協連も推進協議会の幹事会のメンバーとして、都市農村交流にかかる事業の企画運営や情報発信、人材の育成や受入など、協議会の皆さんの活動をサポートしています。この大会の企画検討や準備にも関わってきました。今回は、コープぎふで理事をされている伊藤理佐さん、飛騨支所長の中野さん、岐阜県生協連から佐藤、河原の4名で参加しました。

●今年の大会テーマは、「描こう! ふるさと未来予想図」

三宅会長の開会挨拶

開会式では、推進協議会の三宅会長の開会挨拶に続き、岐阜県農政部の小宮次長と白川村の成原観光振興課長から来賓挨拶があり地域活性化に向けたグリーンツーリズムへの期待が述べられました。



●その仕事は「残すこと」「つなぐこと」を考えているものか?の問いかけ

講師の澁澤寿一さんは澁澤栄一の曾孫で、 「共存の森ネットワーク」理事長をはじめとして森や里山、農村に関連して幅広く活躍されています。

基調講演では、「里の暮らしを未来に活かす」をテーマに、農学博士の澁澤寿一氏のお話を聴き学習しました。
その中では、昭和の経済成長とともに日本国民の生活は大きく変わり、都市部と農村部の人口が逆転。自然の恵みよりもお金でモノを手に入れる様式に日本人が変わったということ。「世界の70億の人が日本人と同じ暮らしをすると、地球が2.9個必要になる。それで日本は先進国と言えるのだろうか」という提起は鮮烈でした。
また、澁澤氏が関わっている愛知県豊田市旭地区のお金の循環を紹介され、「家計収入58億円のうち3億円しか地域に落ちていない。どうやって地域の中の経済を太くするか? 地域にとどめるか? を考えることが重要」と教えていただきました。
そして、「仕事と「稼ぎ」の違い。「仕事」とは子孫に残すこと、世代をつなぐことであり、今だけ・自分だけの「稼ぎ」とは全く異なるものである、と働くことの意味について、「持続可能性」の視点から教えていただきました。
SDGsの目標達成に向け実行していくことが、人類にとって「よりよい」ではなく「待ったなし」の課題であるという貴重な注意喚起もありました。

●地域の課題を出し合い、みんなで考え合う

その後は3つのテーマで分科会に分かれ、地域が抱える課題とその解決の道筋などを考えました。

第一分科会の様子。白川郷ヒト大学学長の柴原孝治さんが、都会の若者たちを集めて活動の輪を広げる白川郷ヒト大学の実践を説明してくださいました。

第1分科会:青年よ、白川郷を目指せ! 「自分らしく生きる」を求めて(白川郷ヒト大学の実践)
第2分科会:外国人を泊めて てんやわんやの若女将座談会(インバウンドおもてなし最前線)
第3分科会:世界遺産 白川郷よ、どこへ行く!(白川村の観光振興)

今回は4名で参加しましたので、分科会も分かれて参加することができました。

夜の大交流会は、地元食材やジビエなどをふんだんに使った夕食とお酒を用意していただき、みんなで楽しく飲んで・食べて・語って盛り上がりました。ご協力いただいた地元の民宿やお店の皆さま、おいしいお料理をありがとうございました。

●地域では将来に目を向け豊かな取り組みが行われています

2日目は初日に学んだことを3つのフィールドワークに分かれて実際に確かめてみました。

第1フィールドワークの風景。「喫茶落人」は長瀬吉実さん・美代子さん夫妻が、10年前から合掌造り民家を半地下に改修して経営されているお店です。学生さんを中心に2週間ほどのインターンを受け入れ、一緒に仕事をすることを通して白川郷の良さを体感してもらっているそうです。ちなみに美代子さんは昔観光でこの店を訪れたのをきっかけに現在に至っているそうです。

第1フィールドワーク:関係人口が白川郷の未来を拓く! (合掌造り「喫茶落人」の、都会の若者受入談義)
第2フィールドワーク:異次元! 外国人に案内されて白川郷を歩いてみると…? (ラオス人観光ガイドのサコンさんと歩く白川郷)
第3フィールドワーク:パン職人と作る白川郷の農泊ツアー (地元原料を活用したパンづくりを通した地域振興の可能性を考える)

【上】郡上市「ビスタ―リマーム」の石田賀代子さんのアピール
【下】三島事務局長の大会アピール

世界遺産「白川郷」の観光面が際立つ白川村ですが、現状に満足せず、インバウンドや関係人口を増やすことを目指し、地元の方が様々な実践をされていることを知ることができました。初日の澁澤さんの講演で感じた「仕事」と「稼ぎ」の違いを実際の取り組みの中に感じることができました。

2日間の最後は、参加した実践団体からのアピールタイムがあり、そして閉会式では大会の振り返りと事務局よりのアピール、村雲副会長の閉会挨拶で今年のネットワーク大会を終了しました。今年も計画通りに大会を開催することができました。「ぎふの田舎にいこう!」推進協議会、そして温かく受入れていただいた地元の皆さまに感謝します。また来年お会いできるのが楽しみです。



●「ぎふの田舎へ行こう!」推進協議会の詳細はこちらから

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