活動の報告

【19.01.22】「災害ボランティアシンポジウム in 岐阜」に参加しました

 
一年を表わす漢字が「災」になったように、2018年は数多くの自然災害に見舞われました。

1月19日(土)、岐阜県と一般社団法人地域社会ライフプラン協会の主催で、「災害ボランティアシンポジウム in 岐阜」が開催され定員数の120人以上が参加しました。

岐阜県生協連からも参加して学習しました。

「平成30年7月豪雨災害の経験を生かす」

昨年の7月豪雨災害では、私たちの岐阜県でも関市や下呂市をはじめとして各所で大きな被害が発生しました。被災者支援や被災地の復旧・復興の力になったのが、県内外から約7,000人にもおよぶボランティアの支援活動でした。

シンポジウムでは、岐阜県健康福祉部の森岡部長、ライフプラン協会の吉田理事長の開会挨拶に続き、「災害とボランティア ~相次ぐ災害の現場から」と題して、レスキューストックヤード代表理事の栗田暢之さんの講演がありました。

栗田さんは、岐阜県瑞穂市出身で、阪神・淡路大震災での被災者支援を契機に、災害ボランティア活動へ本格的に進まれ、日本の防災分野の中でも中心となって活躍されています。

 

この日の講演の中では、7月豪雨災害を例に、

  • 7月豪雨はこれまでの経験値を覆す大災害だった。あの時、皆さんは災害情報をどのように聞いていましたか?
  • これまでのように「行政依存」て考えていくのは大きな間違い。一人ひとりが自分の責任で判断して行動するしかない。
  • 水害はこれからも増加傾向にある。特に中小河川が危ない。
  • 阪神・淡路大震災ではほとんどの人が家具や家屋の転倒倒壊による圧死・窒息死だった。皆さんの部屋、子どもの部屋、学校は大丈夫だと言えますか?
  • 南海トラフ地震に関しては、やはりライフラインの寸断が一番心配される。いざという時、本当にモノは届かない。備蓄が絶対に必要。
  • 本当の災害現場は救急車や消防車はすぐに来てくれないし数人しか助けられない。生き残った者同士が助け合うしかない。形だけの防災訓練をやっていても意味がない。

など、日頃からの備えや地域の力の重要性を話されました。

 

続くパネルティスカッションは、岐阜大学の村岡治道特任准教授、清流の国ぎふ女性防災士会の伊藤三枝子会長、ぎふNPOセンターの野村典博理事長と栗田さんの4人による、「災害にも強い地域づくり・人づくり」のテーマで討論されました。
 

村岡さん

 

  • 私が考える“防災の本質”は、「自分で自分の命を守っておく」「そのために備えておく」こと。みんなが被災したら守り合えないかもしれない。だから自分で自分の命は守っておかなればならない。(自助)
  • 家の耐震とか家具の固定・移動やブロック塀対策は事前に助け合ってできることがある。(共助) 今がラストチャンスと思いやってほしい。

伊藤さん

 

  • 女性目線を生かした、災害にも強い人づくり、地域づくりを進めたい。災害が起きて発生する困りごとは多い。弱い人の視点から行動できるのは女性。力仕事も慣れればできる。女性の力を信じて使ってほしい。
  • 防災訓練にも女性の意見を取り入れたものにしていきたい。そのために女性の集まりにも意見を聞きにでかけていきたい。

野村さん

 

  • 7月豪雨の時に何もできなかった。日頃から想定して準備しておかないと動けないことが教訓となった。三者連携のガイドライン作りだけでなく、運用計画や訓練までが必要。
  • ふだんからの地域づくり活動の中で、顔の見える関係づくり、地域のコミュニティつくりが重要。ぎふNPOセンターがネットワークのつなぎ手になっていきたい。

討論の終わりに、コーディネーターの栗田さんが、

  • 災害にも強い人づくり・地域づくりに、いろいろな組織の皆さんと一緒に取り組んでいきたい。

と締めくくられました。

会場の参加者からは、

  • 自治会や町内会などの自主防災組織づくりを、どこから始めればよいか?
  • 地域の避難訓練や防災訓練への参加を高めるためには何が重要か?

などの質問が出されました。

 

パネラーからは、防災訓練を楽しく、人の関心を引く内容に見直していくことや、地域の中で役に立ちたいという同じ思いを持つ人を増やしていくことの大切さについて助言がありました。

短時間のシンポジウムでしたが、あらためて災害への備えを一人ひとりが自分の責任で行うことが、被災者の救済や、被災地の復興支援、そして各企業・組織のBCPの実効性を高めるのだと感じました。

また、災害発生時の支援のためには、日常からの住民同士のつながりや、行政関係・NPO・民間企業などの関係づくりが大事だと感じました。

岐阜県生協連は、岐阜県の災害ボランティア連絡会のメンバーとして、岐阜県の災害ボランティア組織づくりに参加しています。

2019年は、まずは生協の職員が「自分を守る」ことのサポートに取り組みます。次に、地域の一員として、災害に強い人づくりや、地域力を高める活動に取り組んでいきたいと思います。