活動の報告

【18.12.11】「ぎふグリーンツーリズムネットワーク大会 in 郡上明宝」に参加しました!

 
12月5日(水)~6日(木)、「第8回ぎふグリーンツーリズムネットワーク大会 in 郡上明宝」が、郡上市の明宝で開催されました。

主催の「ぎふの田舎へいこう!」推進協議会は、岐阜県内のグリーン・ツーリズムの実践者が中心となって、近年のグリーン・ツーリズムに対する多様なニーズに対応した「ぎふらしい」「ぎふならでは」のグリーン・ツーリズムを実現するため設立された協議会です。

岐阜県生協連も推進協議会の幹事会のメンバーとして、都市農村交流にかかる事業の企画運営や情報発信、人材の育成や受入など、協議会の皆さんの活動をサポートしています。この大会の企画検討や準備にも関わってきました。

今年の大会テーマは、「グリーンツーリズムで地域を元気に!」

 
メイン会場の明宝コミュニティーセンターには、地元明宝や郡上市を中心に、県内各地域からグリーンツーリズムに関わり活動されている団体や個人、そして行政(岐阜県・市町村)、観光協会関係者などおよそ100人が集まりました。

推進協議会の三宅会長の開会挨拶に続き、岐阜県農政部と郡上市からの来賓挨拶の中では、東京五輪など今後さらに外国人訪問者が増える見込みであり、過疎化が進む農村地域の活性化をバックアップしたいというエールや、この大会の当地での開催に感謝し、地域の資源をさらにみんなで活用していく機会にしたいとの呼びかけがありました。

自分住む地域の料理について考え交流することから発見がある!

その後は3つのテーマに分かれワークショップ形式で、地域が抱える課題とその解決の道筋などを考えました。

第1ワークショップ:移住者と共に地域を創る!(料理旅館みずかみ)
第2ワークショップ:インバウンド、魅力を伝える企画を創る!(民宿民泊 しもだ)
第3ワークショップ:『めいほう食の教科書』に学ぶ食の伝承と地域活性化(自然食泊 愛里)

 

 
私たち岐阜県生協連が参加したのは第3ワークショップ(自然食泊 愛里(写真)にて)。明宝の伝統的な食文化を地域活性化につなぐ道筋を考えるワークショップです。岐阜県森林アカデミーの嵯峨創平教授がリード役となり、地元で体験民宿『自然食泊 愛里』を営む石田賀代子さんにコメンテーターをお願いしました。石田さんは農水省が認定する「農林漁村民家おかみさん100選」のひとりであり、昨年発刊された『めいほう食の教科書』づくりの中心メンバーのひとりでもあります。

 
ワークショップといっても難しい内容ではなく、5つのグループに分かれて自分がよく食べている地域の料理を一品ずつ出し合い、材料や作り方、その他料理に関する情報を紹介しあいながら、各グループからの“一品”に絞ります。そして各グループから出された代表料理は、「さといもの煮っころがし」「ひね漬け」「菜もち」「かぶら漬け」「鯉こく」。

それを、「誰に」「どのようにアレンジして」提供したいかも考えて発表しました。そして、その一品ずつについて、石田さんから感想や明宝にはどのような料理がありどんなつくり方をされているのかなどをコメントしていただきました。地元明宝の自然を愛し、味噌から殆どの食材は自分でつくられているという石田さんのお話は謙虚で穏やかながら、とても説得力溢れるものでした。

 

 

離れていても「関係したい、貢献したい」の願い。「関係人口」をつくろう!!

 
その後、また全体で集合して基調講演。島根県のローカルジャーナリストの田中輝美さんを講師に「地域を変える関係人口」の演題で講演いただきました。

全国でも代表的な過疎の県であるのが島根県(人口68万人)。大正時代よりも人口減少している唯一の県でありながら、若者中心にUターンする人は4,000人台と多いこと、都会に出ていても実は「島根の役に立ちたい」と思っている人が多いこと、一方で「住んでいないんでしょ」という地元の方でも受けつけない気持ちもあること、移住まではできないけど、もっと外からでも地域に貢献したいという「旅行以上、定住未満」の立ち位置から関わってくれる「関係人口」をどうやって増やしていくかが大事であること、などが話されました。

昨今は「ふるさと難民」という言葉に代表されるように、田舎の温かさやつながりへの期待や憧れが強まっています。そういう意味で時代は変わったのに、世の中依然として「ゼロサムベース(どこかがふえればどこかが減る構造)」であり「オール・オア・ナッシング(結婚しないのなら最初から付き合わない)」という関係が蔓延っています。

地域との関わり方は、買う⇔行く⇔働く、など様々にあります。

地域内 地域外
住民(活動人口) 関係人口

移住者を増やすこと(目的)を優先せず、地域の困りごとの解決(結果)に優先して目を向けることがポイントであると締めくくられました。

「量」から「質」への転換はこの分野でも共通した課題だということ、KPI(短期的な数値目標)導入の問題点(ゼロサムベースに逆戻りする)など、少しピリッと注意喚起もしていただきました。

会場では、スクリーンの写真を撮る方が非常に多く、多くの組織が同じ問題を抱えていると感じました。生協の活動においても、職員の業務だけでなく、活動に参加する組合員さんが増えない問題があります。この「関係人口」の考え方は参考になると思いました。

夜の大交流会は、地元食材をたっぷり使った夕食とお酒を用意していただき、みんなで楽しく飲んで・食べて・語って盛り上がりました。ご協力いただいた地元の民宿や料理店の皆さま、どれも本当においしかったです。ありがとうございました。

初日に学んだことを二日目は実際に確かめてみました。

二日目は、初日のワークショップをフィールドワークで確かめました。

第1フィールドワーク:このツアーでゲット! 移住者獲得のキラーコンテンツを歩く。
第2フィールドワーク:外国人ツアーガイドと歩く里山ウォーク!
第3フィールドワーク:地域に眠っている食文化を体験プログラムとして覚醒させよう!

 
私たち第3フィールドワークは、石田さんが畑からとってきてくださった野菜を使い、みんなで料理を作りました。

一時間で12品とけっこうハードでしたが、里山の「懐かしさ」や「豊かさ」を実感できました。自分たちで作った達成感も味付けになり、どの料理もおいしくいただきました。

今年も計画通りに大会を開催することができました。準備から当日運営までご尽力いただいた「ぎふの田舎にいこう!」推進協議会の皆さまと、行政の皆さま、そしてご協力いただいた地元の皆さまに感謝します。また来年お会いできるのを楽しみにしています。